大切なものを探し求めて、暗闇の中を彷徨っていた僕。



     どこかで落としたわけじゃない。



     だって最初から持っていなかった。






     僕は、僕自身が大切に出来るものを欲しているの。













     此処は、何処だろう。




     真っ暗なのに、自分の手や足がはっきりと見える。



     何も無い・・・・・・。



     怖い?寂しい?




     ううん、


     僕は、そんな感情を持ったことが無いから。






     「大切なものが出来れば・・・」



     そんな感情も、知ることが出来る?







     「ねぇ・・・。」




     ・・・・・・?



     「ねぇ・・・ねえってば・・・!」



     「誰?」



     「此処、どこなの・・・?何で真っ暗なの?」


     「さぁ・・・。」



     「どうして・・・っ、怖い、よ・・・・・・・・・ッ」




     ああ、『普通』の人なんだ。


     良いなあ、普通。






     「あなたは、誰・・・?」



     僕?僕は・・・


     「・・・・・・人間。」


     「っそ、んなの、見れば解るわよ!」




     「だって、それ以外の答えを知らない」



     名前は知らない。

     もしかしたら、無いのかもしれない。



     「・・・・・・孤児?」


     「保護者は、いるよ。」




     「名前を呼ばれたことは無いけど。」





     「・・・・・・寂しく、ないの」



     「さあ」



     僕には解らないことだよ。





     「此処にいて、何も思わないの・・・っ?」



     「変なトコだなあ、とは思うよ?ただそれだけ」








     「どうして、寂しいと思わないの?」






     「僕はずっと、此処と似たところにいたから。」




     真っ暗で。必要最低限のものしか無くて。



     そこから出られるのはトイレに行く時だけ。それだって一日に5回ぐらい。


     食事は一日二食、時間になると運ばれてくる。



     多分生まれた時から、そんな生活。






     「大切なものも無いから、寂しいとは思わない。」




     「そう。」





     「私は寂しい・・・こんな所も、あんたの話も」



     「そう?」




     それが普通なのかな。

     やっぱり、普通ってよく解らないや。













     だからこそ 僕は普通を望むんだろう。












     「・・・君の名前は?」






     「 沙良 」





     「サラ・・・・・・そう、」













     暗転。




     そして、真白。




     意識はあるのに、何も出来ない。




     白の空間。





     漂って、流れて





     動くことができた。




     声も













     「ねえ、沙良」






     「なあに」




     ああ、やっぱりいた。



     何となく、いると思ったけど。





     「何処だろうね、此処は。」



     「さあ。でも、さっきと違うのは解るわ。」



     「そりゃあね」






     「私、白なら大丈夫よ」





     それは、

     白なら怖くないってことかな。




     「そう」


     よかったね。












     「あんたが居るから独りじゃないし」




     「うん?」








     「ねえ、ここに住もうか」






     「それも良いかもね」














     どちらにいてもいいのなら


     人が居る方を選んでみようと思う。












     
そして寂しさを怖れを感情を僕に教えて



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  ワケ解らない。私は何が書きたかったんだ。
  オチも何も無い。矛盾だらけ。